Q熱という人獣共通感染症
Q熱とは?
Q熱は保健所に届出義務があるズーノーシスです。
国立感染症研究所のデータによると、1999年12人、2000年23人、2001年には40人と毎年数十例ほどが報告されています。
Q熱は、世界各国で増加傾向にあるズーノーシスで、都市部での発生例が多く報告されるようになってきました。
Q熱の感染源、症状、予防について
Q熱の感染源
Q熱はリッチケアの一種であるコクシエラ・バーネッティというが菌が原因で感染します。この菌は家畜・野生動物が保菌していて世界中に分布しています。
コクシエラ・バーネッティは感染した動物の、糞、尿、乳汁と一緒に排出されます。
この時に空気中に浮遊した病原菌を含む微粒子を吸引することで感染します。
今のところ日本での報告はありませんが、感染した動物の生肉や乳製品を摂取することで感染することもあるそうです。
※リッチケアとは― 細菌と同じような構造をしていますが、動物や人の細胞の中でしか増殖できないという特徴があります。
Q熱の症状
Q熱の症状は数十日の潜伏期間を経て、発熱・頭痛・肺炎といったインフルエンザのような症状が現れます。
2週間ほどで自然に治ることがほとんどですが、慢性化に移行すると治療が難しくなります。
慢性的な症状として、倦怠感や不定愁訴といった症状が挙げられます。
検査をしてもどこが悪いか分からないため、不登校、うつ病、自律神経失調症と診断されてしまうことが多いようです。
Q熱の予防
海外では獣医師などの専門家を対象にQ熱予防接種ワクチンが開発されていますが、日本にはワクチンはありません。
胎盤内で増殖する菌なので、動物の出産(流産)に立ち会う時は慎重に!