鳥から人に感染するオウム病
オウム病は増加傾向にあるズーノーシス
オウム病は、鳥類クラミジア感染症とも呼ばれるズーノーシスです。
オウム病という名がついていますが、オウム以外の鳥も感染源になります。
日本ではセキセイインコからの感染がよく知られていますが、カナリア、九官鳥、カモメ、アヒルなどからもクラミジアが見つかっています。
2002年島根県の市営動物園でオウム病の集団発生が起きました。
オウム病に感染した鳥の糞から、入園者と従業員が感染したそうです。
同じ年、哺乳類からオウム病に感染したという珍しい事例も報告されています。
ヘラジカの分娩介助をした獣医師がオウム病に感染したそうです。
オウム病は、ペットとして鳥を飼っていなくても、動物園やペットショップから感染する可能性があるズーノーシスであることを覚えておきましょう。
オウム病は、オウム病に感染している鳥の糞や鼻汁に含まれている菌を吸い込むことで感染する吸入感染と、キスやエサの口移しなどの濃厚な接触で感染する経口感染があります。
オウム病の症状
オウム病に感染すると38度以上の高熱、頭痛、だるさといったインフルエンザのような症状が現れます。肺炎や気管支炎の症状がみられることもあるようです。
オウム病は、抗生物質の服用で治療することができます。しかし、適切な治療がされない場合、呼吸困難、敗血症などを引き起こし、稀に死亡することがあります。鳥を飼っている人にインフルエンザのような症状が現れた場合、医師に鳥を飼っていることを伝えましょう。
オウム病の予防
普段から鳥かごの掃除をこまめにし、口移しでエサをあたえないようにしましょう。
オウム病に感染した鳥は、元気がなかったり下痢などの症状が現れます。
飼っている鳥にいつもと違う様子があらわれたら動物病院で診察を受けましょう。